少し古い話になりますが、
テレビで、
「25歳はお肌の曲がり角」

というキャッチコピーとともに

CMを流している化粧品メーカーがありました。

これは医学的に裏付けることもできるのです。

なぜなら、
女性は25歳あたりから

肌の潤いなどをもたらす女性ホルモンの分泌が低下してきますから、
それに見合った対応、
メンテナンスが必要だということです。

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ここで私は、
「35歳は妊娠の大きな曲がり角」

というお話をしたいと思います。

女性は35歳を過ぎたあたりから年を追うごとに、
子どもを産んで育てるということに関して

「内憂外患」といったリスクに直面していきます。

まず、
「内憂」のリスクとして、
このテーマでもある

卵子のエイジングということがあげられます。

女性は、
35歳あたりから卵巣予備能

(卵巣に備わっている潜在的な機能)

が急激に低下しはじめるのです。

予備能を測る指標として、
くり返しになりますが、
ホルモンの話を整理しておきましょう。

現在、
予備能の指標として用いられるのは、
卵胞刺激ホルモン(FSH)、
デヒドロエピァンドロステロン

(DHEA言抗ミュラー管ホルモン(AMH)

などです。

FSHは最も古くから用いられている指標で、
平たくいえば、
卵と卵胞の成熟を進めるホルモンと

考えていただいていいと思います。

すなわち、
35歳あたりから卵の育ちが悪くなってくるので、
加齢とともにFSHの値が上昇するという現象が

見られるようになるのです。

 

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FSHは生理期間中に黄体化ホルモン(LH)と

ペアーで測定されることが多いのです。

LHは排卵を促すホルモンです。

卵の育ちが悪くなると同時に、
排卵も難しくなってきますので、
この値も加齢とともに上昇してきます。

そして最近、
不妊治療の分野で特に重視され始めているのが、
AMHという指標です。

このホルモンは、
卵子をとりまく卵丘細胞から分泌されることが知られています。

これは、
卵巣予備能を表す指標として用いられているわけですが、
この値も謁歳を過ぎたあたりから低下し始めます。

ただ、
AMH検査は現在健康保険適用となっていませんので、
不妊治療を行っている医療機関で検査はできますが、
8000円から2万円程度の費用がかかります。

そして私が注目しているのが、
DHEAという指標です。

DHEAは、
女性ホルモンの前駆体いわば原料にあたる物質です。

これは加齢とともに低下してきますので

卵巣予備能の指標となるのです。

私がDHEAに注目する理由は、
DHEAはサプリメントという形で

補填することが可能だからです。

クリニックの実績でも、
女性の年齢が師歳以上でDHEAの値の低い人に、
DHEAを服用してもらったところ、
ほとんどの例でDHEA値が改善してきました。

もちろん

それですぐ妊娠に至るというわけではないのですが、
DHEAを勧めるようになってから、
37歳以上の妊娠が約2割増加しました。

この補填できるということが、
ある意味、
希望をつなぐことにもなります。

不妊治療の施設でも,

「AMHを改善する薬はない」

と患者に説明することか多いですし、

FSHに関しても同様な説明がなされているようです。

しかし「不妊ルーム」の経験では、
FSHの高い方に対しては、
漢方薬などを処方することによって

かなりの効果が認められるということも事実です。

さらに35歳を過ぎたあたりから

こうしたホルモン関係の変化に加えて、
子宮内膜症、
子宮筋腫といった不妊の原因となる病気の頻度も

当然増加してきます。

すなわち、
子宮も卵巣も35歳あたりから

妊娠しづらい状況になっていくということです。

また、
多くの女性が仕事を持っているという現状からして当然、
責任のあるポジションに就いている女性も多くなります。

さらに、
パートナーも同様に仕事の責任も重くなっていますので、
排卵日に合わせた夫婦生活を頻繁に持つということも難しくなってきます。

ですからこうなる以前、
すなわち35歳までに

妊娠・出産についてのプランを実行に移すことは、
1つの知恵だと思います。

今から10年ほど前に『オニババ化する女たち』

(三砂ちづる著光文社新書2004年)

という本がベストセラーになりました。
20代で子どもを産むことを勧めています。

その何よりも大きな理由は、
そうした年代で子どもを持てれば、
自分の30代が子育てからも解放されてハッピーになる、

という主張です。

また彼女は、
女性の身体の臓器である子宮というものだって活用してほしいわけであるから、
女性は妊娠することによって、
女性としての身体性を感じることができる、
とも主張しています。

私がいつも思うことは、
人間の体に無駄な臓器はないということです。

確かに彼女のいうように、
30歳までに子づくりを完了するということは、
子宮・卵巣環境が厳しくなる前に子どもを持つということであり

一考に値すると思います。

もちろんカップルにはそれぞれの価値観があるわけですから、
誰からも強要される話ではありません。

くり返しになりますが、
「35歳は妊娠の大きな曲がり角」ということは、
キャッチコピーとして、
頭の中にインプットしておいていただきたいと思います。

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