卵子はエイジングするということを述べてきましたが、一方、男性側の精子はどうなのでしょうか?精子は一言でいうと老化しないといってかまわないのです。
それは、卵子ができる過程と精子ができる過程には、根本的な違いがあるからです。
女性は生まれた時に、すでに与えられた卵を持って生まれてくるといいました。
一方の精子は、精子のもとになる精母細胞が成長・分裂して日々新たにつくられるのです。
二次性徴が始まり、男性ホルモンの分泌が上昇するころから精母細胞の働きは活発になってきます。
精母細胞は精子の原料ともいえる細胞で、赤血球が120日の寿命を終えると骨髄でまた新たな赤血球がつくられるように、精母細胞から約2カ月を経て一人前の精子がつくられるのです。
言い方を変えれば男性の体内にはいつも、新製品の精子が準備されているともいえます。
くり返しますが、このことが卵子と精子の決定的ともいえる違いです。
加代の男性と、若い女性のあいだに子どもができたといった報道が時々ありますが、この逆のパターンというのは、聞いたことがないと思います。
それは精子と卵子の根本的な違いによるものなのですこただ、男性側も、注意しておかなければいけないことがあります。
精子は老化しないのですが、精力は老化するということです。
私は内科医ですから、いろいろな患者さんを診ていて思うことがあります。
それは、男性にも女性にも共通していえることですが、人は生まれてから大人になるまでは、ほぼ暦通り成長しますが、暦通りに老化はしないということです。
帥歳でも老けて見える人もいれば、帥歳でも、とてもその年齢とは感じさせない人も多くいます。
また、一般的に元気な人というのは、年をとってもポジティブなものの考え方をする傾向があります。
これも男性、女性ともにいえることですが、ポジティブ・シンキングは、妊娠にもプラスの影響を与えることは、間違いないと思います。
さらに精子に関しては、ストレスの影響を受けるということが、意外と知られていません。
精液検査を一度行って数が少ないと、非常にショックを受ける男性も多いのですが、実は精子の数や運動率は、男性側のコンディションの影響をとても一受けやすいのです。
ハードワークの状態が続いている時期に検査した場合と、比較的ゆったりとした時期に検査をした場合とでは、明らかに後者のほうが運動率や数が良好、という経験を私はたびたびしています。
そしてこの原稿を書いている時に、インドでのお話ですが、%歳の男性が父親になったというニュースが、インタ1不ツト経由で飛び込んできました。
ちなみに2年前にも一子を授かっているということで、世界最高齢の父親になったそうです。
このエピソードが象徴するように、男性は体も気持ちも元気であれば、いつまでも女性を妊娠させることができるといっても過言ではないのです。

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卵巣・卵子は老化する

卵子は老化するということを、もう少し詳しくお話ししてみたいと思います。
私たちは年をとれば、心臓も腎臓も、そして肝臓も老化していくであろうということは、当然理解しています。
例えば陸上競技で、加代に出した記録を、如代になって更新するなどということはできないでしょう。
それは心肺機能、筋肉量も含め、体が老化していくからです。
それと同じように、卵巣という臓器も当然、老化していくわけです。
そしてその卵巣の中には、赤ちゃんの素である卵子がたくさん詰まっています。
卵巣が老化するということは、取りも直さずその中の卵子も老化していくということなのです。
しかし、月経があるうちは、それを自覚しにくいために、ほとんどの女性がそのことを理解していないように思います。
では、なぜそうなってしまうのでしょうか?前述したように、それは何よりも卵子が老化するということを、教育として一受けていないからです。
しかも、卵子は卵巣というお腹の中の臓器中にあって、目には見えませんので、なおのこと老化ということがまったくイメージできないのだろうと思います。
さらに、困ったことに、基礎体温表に対する誤解があります。
私は、基礎体温表は何よりも大切な女性の健康管理シールだと思っているので、あとで詳しく述べますが、この基礎体温表をつけていても、卵子の老化ということに気付くことがほとんどできないのです。
もちろん更年期に近づけば、基礎体温も不安定になってきますから、その時点で老化は把握できるかもしれませんが、それでは妊娠ということを考えるには、時間的に遅すぎます。
しかし、卵子の老化ということが自覚できない一方で、卵子の老化度をある程度客観的にチェックすることは、実はできるのです。
そのことをお話ししていきますcよく結婚前の女性が、ブライダルチェックというものを受けます。
その内容は、エコー検査で子宮筋腫や卵巣雲腫がないか、あるいは貧血がないか、性感染症の有無、といったようなことを調べるのがほとんどです。
ブライダルチェックを行っている医療機関のホームページなどでいろいろと調べてみましたが、卵子のエイジングに関するチェックを行っている医療機関は、あまり多くないようです。
私は、何よりもそのことにびっくりしてしまいました。
私はこれから皆さんに、ブライダルチェックの一環として卵子のエイジング・チェックということを考えていただきたいと思います。
いろいろなことを述べても覚えきれないと思いますので、ホルモンのことに絞って解説したいと思います。
具体的に重要なのは、卵胞刺激ホルモン(FSH)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、そして抗ミュラー管ホルモン(AMH)の3つです。
FSHは、古くから卵巣予備能(卵巣の機能がどれだけ保たれているか)を示す指標として使われてきました。
FSHは簡単にいえば、卵を育てるホルモンと考えてください。
女性は年をとると、卵が育ちにくくなります。
釦歳を過ぎると、少しずつ卵巣の機能が低下し始め、弱歳を過ぎると、低下のスピードが速くなります。
すると、これを補おうとして脳下垂体から卵巣(卵胞)の働きを促すホルモンFSHが分泌されるのです。
FSHの値は弱歳を過ぎると上昇し始め、この値が皿を超える女性が増えてきます。
そして、年を追うごとに妊娠が難しくなってきます。
このホルモンは生理中に測定します。
FSHは黄体化ホルモン(LH)とセットで生理中に検査することが多いのです。
LHは、やはり脳下垂体から分泌されるホルモンで、排卵を促し、排卵後卵胞の黄体化を促す働きがあります。
年をとると、排卵も難しくなってきますので、これを補うため、LHの値も上昇します。
その結果、仙歳を過ぎるとFSH、LHともに高い女性が多くなってくるのです。
次にDHEAですが、これは女性ホルモンであるエストロゲンなどの前駆体です。
女性は年をとると、女性ホルモンの分泌も落ちてきます。
女性ホルモンのその前駆体であるDHEAが徐々に低下し始めます。
しかしDHEAは、FSHと違い、個人差が激しいということも1つの特徴です。
そしてDHEAは、サプリメントとして、アメリカなどでは、スーパーマーケットなどでも販売されています。
よく個人で判断をして、DHEAを服用している人を見かけますが、これはあまり感心できません。
なぜなら、DHEAは、男性ホルモンの前駆体でもあるからです。
DHEAの服用によって、男性ホルモンが女性においても上昇してくる可能性があるのです。
私はこうした例をしばしば経験しています。
ですからDHEAの服用は、医師の指導のもとに行うべきだと思います。
そして、最近3番目の指標として注目されているのが、AMHです。
AMHは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、その値は、卵巣の中にどれくらいの卵が残っているかという卵巣予備能を反映すると考えられています。
最近では、不妊治療を開始するにあたって、女性の年齢もさることながら、このAMHの値を指標として、不妊治療の方法を選択するという医師も増えてきています。
当面妊娠を考えていない女性でも、訓歳を過ぎたら、年に1度、生理期間中にFSH、DHEA、AMHのチェックが大切だと、頭の中にインプットしておいてください。

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